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☆波と風

2011.04.03.21:29

夜中の3時すぎ。とぼとぼ歩いてホテルにつく。
お湯は出ないものの、きれいなベッドで寝ることが
できるのは嬉しい。カウンターで会社名と名前を言って
チェックイン…と思ったが
「○○様(会社名)では御予約おありませんが…」
しまった!間違えた…!
仙台はまだホテル事情が悪く、毎日泊まるホテルが変わる。
せっかく会社から一番近いホテルだったのに、わざわざ
遠いホテルまで来ちまった…。

昼間にあったことを考えながら歩いていた。
だからかなあ…。

取材で訪れた宮城県山元町。
津波にさらわれた仙台市から名取、岩沼の海沿いの道を
高速バスで1時間にある福島との県境の町。
山元町
梅やたんぽぽが咲き、のどかなところ。
なんかほっとする風景が広がっていた。
山元町の梅


取材先の方は、海の近くに家があったが
津波で家は流され、同じ町内の山側にあった
実家の離れで避難生活をしている。

津波と追いかけっこをしながら、なんとか逃げ切ったが
飼っていた犬は、連れてくることができなかった。
途中で気付いた旦那さんが「犬を放してくる…」と
自動車から降りると、海の方からがれきの山がせまってくる。
波ではない。家の屋根、柱、木、看板…。それらがうねりながら
迫ってくる。
「お父さん、むり!」と、泣く子どもたちと一緒に一路山の方へ。
家族4人、なんとか逃げ切ることができた。

その方の避難先のご実家へ向かう途中、
お墓があった。駐車場の半分くらいが掘り起こされている。
「こんな時に工事なんかしなくてもいいのになあ」と
横目で見ながら、ほどなくその方の家についた。

スタジオのゲストとして来ていただくことに
なっていたその方から聞いたお話は、心をねじりあげられる
ようなものばかりだった。

町内の保育園、二つも波にのまれた。
そのうち、一つの保育園では、津波が来た当時、
7人の保育士さんと18人の子どもたちがいた。
両腕で子どもを抱え、送迎用のバスの上に乗る。
ひとりで2人しか抱えられない。
目の前で流されてしまう子どもたち。
増していく水かさは、車の高さを越えていく。
何かにつかまらなければ流される。
離してしまう…。子どもの手を…。

「離さなければ流されちゃうんだもの。
そんな話ばっかり聞きます。」
そして、「まだみんな実感がないのか、
『うちのおじいちゃん、ながされちゃったのよ』とか
けっこうあっけらかんと言うの。
まだショック状態が抜けないから
現実感がないんですよね…」と話す。

そして、見つかったご遺体は、土葬にされると言う。
「近くの墓地も、今、土葬をしています」

あっ、あれは工事ではなく、土葬だったのか…。
かなりの数だった。
帰りに通りかかった際に、道路からだったが
手を合わせる。道路を挟んだ向かい側にある避難所の方が
ちらりとこちらを見る。
泣き顔を見られるのが何となくいやで、そそくさと立ち去った。

海側の地区を通った。
家々がことごとくなめとられた町。
海からの風が、強く吹いていた。
さえぎるものがない。
波の音だけが、いつもより強く聞こえていた。
風の音と、波の音。
それだけが、強く、強く増した風景。
青い空と泥の色に塗りつぶされた海沿いの町で
波と風の音に圧倒された。
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岩手県盛岡市の住人です。テレビ番組ディレクター。5児の父。好きなことは、山の生活と家族!クルマ、スポーツも!

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